悠久なる大地

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リリース:2011年10月20日
“悠久”と書いて“はるか”と読む。
ジャケットは第二子をお腹に抱く竹口をメインに、阿蘇特有の大自然、草原で撮影された写真で構成され、おそらく曇天下で撮影された写真にも関わらず、阿蘇の緑がとても美しい。
「人も皆、母なる大地の子」というアルバムコンセプトは、阿蘇の大自然をテーマにしたVientoの思いと、母なる竹口の思を感じることができる。
1曲目、『祈り~春の雪』は前作に収録された千年の森と似た雰囲気。吉川が静かながらも力強くメロディーを唄い上げる。東北震災で被害を受けた瓦礫の町に冷たい雪が降り積もる様子に想いを馳せた曲。
このアルバムも恒例の三部作を収録する。『源流/鼓動/千年の森』の三曲。
2曲目『源流』はアルペジオを奏でるビブラフォン音色が、ぷくぷくと湧きだす水源を表すよう。大地の呼吸に合わせて湧き出る命。アルバム五作目「水物語」を彷彿とさせる。
3曲目『鼓動』は地の怒り、海の怒りを表した曲。スタッカートで刻むメロディーと伴奏が印象的。自然界から人間に出来ないことを思い知らされた2011年。
4曲目『千年の森』はアルバム「大草原の小さな音楽会」からリメイクされての再収録。こちらも視聴を用意したので前作との違いを聴き比べてみてほしい。
5曲目『雨の妖精』はVientoが連綿と演奏し続ける息の長い曲。ワルツの軽やかなリズムに、ソプラノ音域のオカリナが可愛らしくメロディーを奏でる。この曲を聞くと雨が楽しく感じる。
6曲目『愛林の里』は水俣の棚田をテーマにした曲。美しい石積みと水を張った田んぼを描いた。メロディーを主体としたシンプルなアレンジは『ゆうすげ』などViento初期作品に多いが、その時代を思い出すような曲に仕上がっている。
7曲目『薔薇の泉』ではトランスコンティネンタルDuoの梶山ひろ子がゲストプレイヤーとして参加する。かつては水銀で汚染された水俣の海。埋立地には5000株の薔薇が咲き誇る公園があり、この曲では再生した水俣を描く。曲は前半と後半でテーマが大きく分かれる。前半はカスタネットが刻むリズム、鍵盤ハーモニカの音色でダークなイメージ。汚染が進んだ水俣を表すのか、それとも薔薇の妖艶なイメージを表すのか・・・。後半はトライアングルがリズムを刻み、鳥笛によるさえずり、梶山のフルートによって爽やかな印象を与える。こちらが咲き誇る薔薇を表すのか、それとも蘇った水俣の海を表すのか。聞き手が自由に感じて良いのかもしれない。
8曲目『月の砂漠』は、これが月の砂漠かと思うほどカッコイイ。メロディーが美しい曲はどのようにアレンジしても安定感がある。メロディーの大切さを改めて知ることができる。
9曲目『鈴かけ馬おどり』は鹿児島県霧島市の鹿児島神宮へ奉納される祭り。家畜の安全・多産・豊作を願い、飾った馬を奉納する。鈴を付けた馬がシャンシャンと音を立てながら表参道を練り歩く。この曲は九州の文化・遺産・伝統をテーマにした新・九州遺産の挿入曲とともに楽しみたい。
10曲目は映画の挿入曲『テルーの唄』。素朴なメロディーをオカリナ三重奏で奏でる。この曲のオカリナ演奏にはトランスコンティネンタルDuoの梶山ひろ子がフルートをオカリナに持ち替えてゲスト参加する。
11曲目『砂塵の龍』。この曲も東日本大震災から。瓦礫と砂埃だけが残った町に、人々の心を救う龍神様が降りてくるようにと願いが込められている。被災地を自らの目で見た人は、この曲に込められた願いの意味をより深く感じることができるだろう。
12曲目『五木の子守唄』は熊本県を代表する民謡。五木村は山中深く分け入った平家落人の里。子守唄というと子供を寝かしつけるために母親が唄う歌だと思われがちだが、それとは違ったエピソードを持つ子守唄がある。五木の子守唄は後者のほう。

1 祈り~春の雪
2 悠久なる大地~源流
3 悠久なる大地~鼓動
4 悠久なる大地~千年の森
5 雨の妖精
6 愛林の里
7 薔薇の泉
8 月の砂漠
9 鈴かけ馬おどり
10 テルーの唄
11 砂塵の龍
12 五木の子守唄